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9784910029009
新版 雪に生きる
著者/猪谷六合雄 出版社/カノア サイズ/560ページ 19.5*14cm 発行(年月)/2021年12月
販売価格 ¥ 3,410(本体 ¥3,100)
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私が靴下の自製を思い立ったのは
著者の猪谷六合雄(いがや・くにお)は1890年、赤城山・猪谷旅館の長男として生まれました。生来の手先の器用さに加えて、何でもやってみる、何でも作ってみるという好奇心と情熱のかたまりのような人物で、10代のころからスケート、水彩画、油絵をはじめて、小さな組み立て小屋や飛行機の模型を作り、丸木舟を彫りました。 23歳の冬、粉雪の上に見慣れない二本のシュプールを見つけたことがスキーとの出合いでした。板と金具を自分で作って、毎日毎日粉雪の山へ出かける。そうやって、独学でスキーの技術を習得していきました。薪の上を偶然飛んだことがきっかけで、スキージャンプにも夢中になります。雪を求めて国後島、赤城山、さらに乗鞍へと移り住み、その先々でジャンプ台やゲレンデを建設し、世界に通用する練習法と指導法を確立しました。現地の人々と交流し、創意と工夫のつまった小屋を建て、薪ストーブなどの生活用具を作り、毛糸編み靴下まで開発するのでした。 そんな著者の半生を綴った、稀有な生活記録が本書です。さまざまなできごとが、丁寧な描写とみずみずしい筆致で描かれています。本人が撮影した当時の貴重な写真と小屋の平面図39点を収録し、読む者の心をとらえて離さない独自の世界観を再現しました。 昭和18年(1943年)に初版本が刊行された本書は、これまで新潮文庫(1955年)や岩波少年文庫(1980年)など、じつに7社が文庫化や復刊を繰り返してきた名著です。この『新版 雪に生きる』は、『定本 雪に生きる』(1971年)を再編集し新装復刊した新版です。 「今の私たちに何ができるだろう。どうせ、ろくなことはできないかもしれないが、私たちにはまだ多少の情熱がある。採るに足る程のものでなくとも、まだ、工夫と精進を続けて行く力は残っているはずだ。 これをどこへ集中したら、一番役に立ち得るか。 私はこの稿の後半に至って、この重要問題を解決し、生活目標をより明確にしておいて一倍の努力をもって、新しく発足したいと念願した。 しかし、貧しい智慧を絞ってみても、それはなかなかやさしいことではなかった。だが、いろいろと思案したあげく、腰の浮かない自らの足元を掘るに如かずと気がついて、ようやく、一まず結論に到達した。私自身としては、その結論に信念を持っているつもりだが、万一間違っていたらどうしよう。 その時は、私たちの使い残した唯一の財産、工夫と精進する生活を持ってどこへでも出て行こう。」 (前書きより) <目次より> 第一篇 赤城山時代 一 スキー揺籃時代 二 スキー行脚 三 スキージャンプ入門 四 スキージャンプ練習時代 五 二つのジャンプ大会 六 赤城山を出る 七 北海道へ渡る 八 阿寒附近 九 摩周湖 第二篇 千島時代 一 千島へ渡る 二 古丹消へ移住する 三 畑を作る 四 島の魚 五 鼠の話 六 二年目の冬 七 靴下の表 八 島の思い出 九 老漁夫の死 十 小屋の火事 十一 滝の下の小屋 十二 膝関節の半脱臼 十三 千島を去る 第三篇 再び赤城山時代 一 再び赤城山へ 二 湖に親しむ 三 万座、白馬 四 山歩きとゾロ 五 闇夜の山下り 六 雷 七 ヒマラヤ入りの計画 八 最後の冬 九 千春入学 十 湖で溺れた人 第四篇 乗鞍時代 一 番所へ移る 二 野麦へ 三 小屋を作る 四 第二の冬 五 乗鞍とスキー 六 ゲレンデの藪払い 七 石割り 八 大町の大会 九 乗鞍のスキー春夏秋冬 十 新コース 十一 頂上のゲレンデ化 十二 盗人君を泊める 十三 日光の大会 十四 最後のシーズン? 十五 子どものしつけ 十六 私と鏡 第五篇 山小屋その他 一 私の山小屋について 二 小屋二つ 三 薪切り台 四 着物の順序 五 靴下の表の説明 - - - - - - - - - - - - - - - - <関連書籍> 『暮しの手帖 2021年 12月号』
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