絵本

105個のドアを開けて

金曜日の夕方。大きな街のあっちの家、こっちの家で、105人のひとたちが仕事に出かける用意をはじめました。お風呂に入り、着替えをします。男のひとは、みな黒い靴下をはきます。長いの、短いの、模様のはいったおしゃれな靴下・・・。女のひとは、黒いスカートをはくひと、黒いセーターを着るひと、黒くて長いドレスを着るひと・・・。ブレスレットは誰もつけません。仕事の邪魔になりますからね。

お風呂の入り方も、服を着る順番も、年齢も、家族も、趣味や考え方も、すべて違う105人。けれど105人は、ある夜、ひとつの場所に集まって、こころをひとつに寄せます。美しい「あるもの」をつくりあげるために・・・!

すてきな仕事をはじめる前の大切な準備。みんなの知らない時間を、愉しく見せてくれる絵本。世の中って、ひとりひとりからできている。生きていることを肯定したくなる、素敵な絵本です。(6歳～大人まで)