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9784622086031
子どもたちの階級闘争
著者/ブレイディみかこ 出版社/みすず書房 サイズ/296ページ 19*13cm 発行(年月)/2017年4月
販売価格 ¥ 2,640(本体 ¥2,400)
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地べたのポリティクス
2008年、著者が保育士として飛び込んだのは、英国で 「平均収入、失業率、疾病率が全国最悪の水準」 と言われる地区にある無料の託児所。「底辺託児所」 とあだ名されたその託児所は、貧しいけれど混沌としたエネルギーにあふれ、社会のアナキーな底力を体現していた。この託児所に集まる子どもたちや大人たちの生が輝く瞬間、そして彼らの生活が陰鬱に軋む瞬間を、著者の目は鋭く捉える。ときにカラリとしたユーモアで包み、ときに深く問いかけながら。 著者が二度目に同じ託児所に勤めた2015-2016年は、経済主義一色の政策が、子どもの暮らしを侵蝕している光景、そしてグローバルに進む 「上と下」 「自己と他者」 の分断の様相を、微視的に描写する。移民問題をはじめ、英国とEU圏が抱える重層的な課題が、背景に浮かび上がる。 「わたしの政治への関心は、ぜんぶ託児所からはじまった。」 英国の地べたを肌感覚で知り、貧困問題や欧州の政治情勢へのユニークな鑑識眼をもつ著者が、保育の現場から格差と分断の情景を鮮やかに切り取る。 いま思えば毎日が驚きと、怒りと、 目の前で起こっていることへの信じられなさと、 こみあげる嫌悪感の連続で、 そのくせほんの時折だったとはいえ、 こんなにきれいなものは見たことがないと 思う瞬間に出くわした。 底辺託児所で出会った人々は、 子どもも、大人も、 そうした能力のあるなしにかかわらず生き、 それでよしとして堂々と生かされていた。 - - - - - - - - - - - - - - - - <関連書籍> 『女たちのテロル』 『ワイルドサイドをほっつき歩け』
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