書籍

きみの写真が十分に良くないとしたら、それはもっと近寄らないからだ。

報道写真家ロバート・キャパが撮影した約7万点の写真から、236点を精選して収録。スペイン内戦、ノルマンディー上陸作戦、最期の日を迎えたインドシナ・・・。キャパが撮影した約7万点のネガから、戦下の光景のみならず、デビュー作 「トロツキーの講演」 や、ヘミングウェイ、ピカソ、イングリッド・バーグマンなどのポートレートまで、小さな文庫本の中に大きな世界が広がっている。

「コンサーンド・フォトグラファー(意識の高い写真家)」 とは、キャパの弟で、国際写真センターの創設者、コーネル・キャパの造語である。「ただ記録するのではなく、人々を教育し世界を変えるために写真を使うという人道主義的志向を、みずからの仕事でしめす写真家たちをさす」

笑うひと、うずくまるひと、国境を越え歩き続けるひと、銃を手に走るひと、歓声をあげる子どもたち・・・。こころをしめつけられる写真の数々。岩波文庫初の写真集。