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はな子のいる風景 イメージを(ひっ)くりかえす

9784990977207

はな子のいる風景 イメージを(ひっ)くりかえす

著者/AHA! [Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]
出版社/武蔵野市立吉祥寺美術館
サイズ/192ページ 19*22cm
発行(年月)/2017年9月初版/2018年5月第2版第2刷

販売価格 ¥ 2,200(本体 ¥2,000)

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「在る」ことと「無い」ことの境界が揺らぎはじめる

戦後の日本で、最も長く生きたゾウ、はな子。1949年、「平和の象徴」としてタイから贈られ、1954年からは井の頭自然文化園で暮らし、2016年5月、69歳(推定年齢)で生涯を閉じた。

本書は、市民が撮影した169枚の写真と、撮影と同じ日に記された飼育日誌、写真以外の私的/公的記録(日記、アルバムに記されたメモ、新聞記事)、写真提供者へのインタビューなどをつなぎ合わせて、はな子の歩んだ道のりの一瞬一瞬に光をあてたもの。唯一無二の造本がすばらしく、モノクロームの写真が続く中、時折、セピア色の実寸大の写真が仕掛け絵本のように貼られていたり、めくると、アルバムを剥がした時のように、誰かの筆跡でメモが残されていたり。文化園の入場券、象舎の図面が、挟み込まれていたりもする。

点と点でしかなかった膨大な写真から、次第に浮かび上がってくる「なにか」。はな子の死によって、終わったかに思えた写真記録が、添付された小冊子を読み進めると、時が逆再生をはじめる。そこに綴られているのは、はな子をきっかけに呼び寄せられたひとびとが、失われたものを思い出す幾多の物語である。

私の子育ては、はな子とともにありました。
長男を連れて初めてのお散歩も文化園でした。
泣いたらはな子。ぐずったらはな子。
せがまれたらはな子。困った時もはな子。


弟は井の頭線の交通事故で亡くなってしまったので、
この写真は弟と文化園に行った最後の写真です。
そして、弟と写っている最後の写真です。


子育てが終わり、自分も老いを感じた時、
「はな子も年を取ったね、お互いに頑張ってるよね」と
心で語りかけながら会いに来ていました。


膨大な〈はな子〉との記念写真を収集し、この記録集を製作したのは、市井の人びとの記録を対象にしたアーカイブプロジェクト・AHA!(Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ)。

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