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書籍

常世の花 石牟礼道子

9784750515465

常世の花 石牟礼道子

著者/若松英輔
出版社/亜紀書房
サイズ/178ページ 20*13cm
発行(年月)/2018年4月

販売価格 ¥ 1,650(本体 ¥1,500)

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人間を計る物差しは、その人が悲しみを生きる姿にある

人間を超え、生類へと広がる世界を見つめ続けた石牟礼道子さん。『苦海浄土』をはじめ、数々の名著を遺して世を去った石牟礼さんが、生涯を賭して闘ったものとは何だったのか。

石牟礼道子さんと親しく交流し、NHK「100de名著『苦海浄土』」で講師もつとめた批評家・随筆家の若松英輔さんが、その精髄に迫る。二人の対談も収録。苦しみの中にある者たちを照らし続けた作家に捧げる、言葉の花束。


現代人は、何かに「ふれる」のが、
あるいは「感じる」のが不得意になった、
いのちの姿は考えるだけでは
現れてこないと思う、と私がいう。
すると彼女は、しばらく沈黙したあとこう語った。
「手をたくさん動かすといいですね。
 手仕事をするとよいと思います」


彼は、次第に自然との関係を取り戻していく。
山に入って木と語る。
「海に行って両手をついてひれ伏す」
といった日々を送る。
その経験は、畢竟
「自分とは何者か。どこから来てどこへゆくのか」
を自らに問うことであり、
それまでの加害者たちの責任を問うことから、
「自らの『人間の責任』が問われる」ことへの、
驚天動地の転回だった。
このとき彼は、
「私もまたもう一人のチッソであった」ことを自ら認めた。

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