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9784907239282
みな、やっとの思いで坂をのぼる
著者/永野三智 出版社/ころから サイズ/256ページ 17.5*12.5cm 発行(年月)/2018年9月
販売価格 ¥ 1,980(本体 ¥1,800)
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考えとらん人は、おらんとよ
不知火海を見下ろす丘の上に、水俣病センター相思社はある。2004年の水俣病関西訴訟の勝訴にともない、「自分も水俣病ではないか」との不安を抱える数千の人たちが、いまも患者相談に訪れる。故・石牟礼道子はこの場所を、「じゃかなしゃば(もうひとつの世)」と呼んだ。 著者は、相思社での患者相談などを担当する日々の中で、自分の生まれ故郷でいまもタブーとされる水俣病事件の当事者たちと接するようになり、機関紙で「水俣病のいま」を伝えるための連載「患者相談雑感」を開始した。本書は、本連載に大幅に加筆して一冊にまとめた記録。 「これまでこんなこと、 誰にも言ったことはありまっせん」とか、 「人前で言う話じゃあ、ありませんもね」 とか言いながら。 何十年も心に抱えていたものが どっと溢れだしたようでした。 石牟礼さんに、患者の方と接するときの苦しみを 吐露したことがありました。 患者の痛みを前に何もできない自分が 不甲斐ない、泣きたくなると。 すると彼女は「悶え加勢すれば良かとです」 と言いました。 「むかし水俣ではよくありました。 苦しんでいる人がいるときに、 その人の家の前を行ったり来たり。 ただ一緒に苦しむだけで、 その人はすこぉし楽になる」 <目次より> 第1章 「私も水俣病だと、娘には言わないでください」 第2章 なぜ患者相談か 第3章 差別してきた人たちもまた患者となる 第4章 悶え加勢する 第5章 「息子に蹴られた背中が痛くて」 第6章 ”私”が当事者だ あとがきにかえて 問われて語り始めるとき
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