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書籍

南洋のソングライン

9784991079276

南洋のソングライン

著者/大石始
出版社/キルティ
サイズ/300ページ 19*13cm
発行(年月)/2022年11月

販売価格 ¥ 2,640(本体 ¥2,400)

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歌であって、歌以上のなにか

かつて屋久島で歌われていた「まつばんだ」は、琉球音階が取り入れられた民謡です。ただ、屋久島は沖縄や奄美からはるか北方にあり、琉球文化圏ではありません。なぜ屋久島に琉球の名残があるのか、ごくわずかな例を除いて本格的な調査が行われてきませんでした。それならば、と我々が3年がかりでフィールドワークを敢行。そこから見えてきたのは、沖縄〜鹿児島〜南西諸島に暮らす海洋民たちの生活史でした。同時に、この民謡を復活させようとする島民たちの活動も追っています。本書は、そんな旅や歴史民俗の要素を含んだノンフィクション。


<目次より>
●序章 異郷の記憶が刻み込まれた歌
屋久島への旅立ち/琉球音階の歌が屋久島に?/コロナ禍でのスタート

●第1章 歌であって、歌以上のなにか――真冬の屋久島へ
自然遺産登録以降の変容/ひと月に35日雨が降る島/先住民と移住者たち/〝まつばんだ〟の再生/詣所での不思議な体験/幻の〝まつばんだ〟音源を聴く

●第2章 歌に残るマージナルマンたちの痕跡  
〝まつばんだ〟のルーツは与那国島にあった?/〝まつばんだ〟誕生に関する2つの説/政治的境界を越えるマージナルマン(境界人)/与那国島の與那覇有羽に聞く/〝まつばんだ〟を追う江草啓太さん・ゆうこさん夫妻/喜界島の〝まつばんちゃ〟/「シャーマンみたいなおばさん」のお告げ

●第3章 蘇生する「まつばんだ」――2021年2月  
約1年ぶりに屋久島の地に降り立つ/山尾三省が生きた山間の集落/屋久島人としてのアイデンティティー/ひとりの音楽教師の挑戦/「やっぱり根っこがほしいんじゃないですか」/今日という日へのメッセージソング/祝い唄としての〝まつばんだ〟

●第4章 海の暮らし――屋久島の海民たち 
与論島の漁師たちが持ち込んだもの/「ヨーロン、ヨーロン」と呼ばれて/屋久島南部にやってきた琉球の漁民たち/トビウオで海が埋め尽くされた時代/琉球人がもたらしたジュクジン網

●第5章 山から伸びる「歌の道」
不思議体験の宝庫/病床に山姫が現れた!/首里城には屋久杉が使われている?/法華宗と修験道の影響/〝まつばんだ〟から広がるソングライン

●第6章 明治生まれの歌い手たちの記憶
泊伝三郎が語る父、伝市/もうひとりの安房のスター、若松シマ/日高十七郎元町長が語るかつての安房集落/酒匂シゲの子孫に会う/ようやく浮かび上がった三姉妹の姿/歴史学者・鎌田道隆に聞く屋久島と琉球の繋がり/北と南のマージナルマンたちが出会う場所/神様も仏様も流れ着く島

●第7章 3度目の屋久島――2021年5月  
山の世界に足を踏み入れる/魚のいない川/神々の遊園地、花之江河へ/安房のエンターテイナーたち/3姉妹のルーツがついに判明/命を祝福する歌

●最終章 島から島へ
指宿・松原田集落にまつわる謎/屋久島の北方に浮かぶ黒島に〝まつばんだ〟が?

●あとがき

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