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書籍

海うそ

9784006022983

海うそ

著者/梨木香歩
出版社/岩波書店
サイズ/224ページ 15*10.5cm
発行(年月)/2018年4月

販売価格 ¥ 880(本体 ¥800)

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生きて在ることの手応え

昭和のはじめ、人文地理学の研究者・秋野は、現地調査のため南九州の遅島へ赴く。かつて修験道の霊山があった遅島。豊かで変化に富んだ自然。病を治したり、探し物を当てたり、死者の伝言を伝えたりする「モノミミ」と呼ばれた者たちの存在。「島の山が恋しくて」帰島した青年・梶井との出逢い。地図に残された「海うそ」ということば。「僕はそういうものこそ、ひとの精神の豊かさの現れと、思っているのですがね」 

梶井を案内人に、山中を1週間かけて歩いた探査行。闇の奥に存在するもの、圧倒的な自然の生命力、廃仏毀釈の嵐にさらされた寺院群の跡、「なぜ自分はこの島にいるのか」という哲学的な問い・・・。遅島は、秋野のこころを捉えて離さない。

50年後、不思議な縁に導かれ、再び島を訪れた秋野。「かつて在り、今はない」場所を、秋野の視点で見届けながら、想いは駆け巡る。「喪失とは、私のなかに降り積もる時間が、増えていくこと」 

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