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絵のうら側に言葉の糸をとおす

CH022-003

絵のうら側に言葉の糸をとおす

著者/鴻池朋子+大竹昭子+堀江敏幸
出版社/カタリココ文庫
サイズ/53ページ 15*10.5cm
発行(年月)/2020年9月

販売価格 ¥ 990(本体 ¥900)

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雪山に埋まって、その歌を歌ったんです

カタリココ文庫 第三弾は、<対談シリーズ>『鴻池朋子 絵のうら側に言葉の糸をとおす』。東日本大震災後の2011年3月、大竹昭子の呼びかけにより「ことばのポトラック」がおこなわれました。本書はいまも継続しているこのトークイベントの、美術家・鴻池朋子が登壇した回の内容を再構成した鼎談集です。聞き手は大竹昭子と堀江敏幸がつとめ、三人それぞれが多くの言葉を足しました。

鴻池朋子は大震災のとき、ちょうど個展の最中で、揺れが収まって会場にいくと、自分のつくった作品に少しも情熱がもてなくなっているのに気が付きました。そこでいったん制作を停止し、描くとは? 創るとは、作品を見せるとは? など、つぎつぎと湧きおこる本源的な問いに全身全霊でむきあい、模索します。そこから絵画パネルという既存の表現形式を超えて、動物の皮革に描いたり、糸で縫ったりという手法が編み出されていきました。

「描くこと」「創ること」ことを、人間の営みの歴史や地球の活動にまで広げてとらえようとする彼女の意欲は、既存の「美術」を超えた刺激と発見に満ちています。

「ポトラック」の会場はその日、大変な熱気に包まれましたが、人々が集うことがしづらくなったいま、そのときのエネルギーと思考の軌跡を活字にしてお届けしたいと思いました。コロナ禍と津波は同じではありませんが、人間の想像力を超えた事態に直面したとき、それに立ち向かおうとする姿勢には希望が感じられます。

日常が滞りなく過ぎていると見えにくい物事の本質は、大きな石が転がり落ちて行く手がふさがれたとき、たちまちあらわになります。そのときに立ち止まって考えることができれば、つぎの山を登る力が蓄えられると彼女の言葉は教えます。本書で語られているのは美術のことですが、ジャンルを超えて物事に深い眼差しを注ぐのは<カタリココ文庫>のミッションであり、必ずや読者の心に響くでしょう。なお本書は初版のみとなる予定です。


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<関連書籍>
『超二流の写真家』
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