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書籍

生きていく絵

9784480438560

生きていく絵

著者/荒井裕樹
出版社/筑摩書房
サイズ/272ページ 15*10.5cm
発行(年月)/2023年1月

販売価格 ¥ 990(本体 ¥900)

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心を病んだ人が、絵を描くことで生きのび、描かれた絵に生かされる──。生きにくさの根源を照らし、〈癒し〉の可能性をさぐる希望の書。

精神科病院・平川病院にひらかれた〈造形教室〉。ここでは心を病んだ人たちが、アートを通じて、自らを癒し、自らを支える活動をしている。絵を描くことで生きのび、描かれた絵に生かされている──。4人の作家の作品と人生をつぶさに見つめ、〈生〉のありかたを考え、〈生きにくさ〉の根源を照らしだす。こうした思索のなかで〈癒し〉の可能性をさぐる希望の書。解説 堀江敏幸


<目次より>
はじまりの章
「自己表現」で生きていく/アートと〈癒し〉/心の病とアートの関係/自己表現の〈もの〉と〈こと〉
コラム 力の存在、存在の力
コラム アートで心を〈癒す〉

第一章 〈癒し〉とあゆむ 安彦講平
保護室のマリア/鉄格子の威圧感/安彦講平の試み/〈造形教室〉という場/「治す」ことが目的ではない/出来事としての〈癒し〉/「絵」が「人」を描き変えていく/「病気」が絵を描くわけではない/苦しみは簡単には描けない/心の病いが「治る」とは
コラム 「丘の上病院」を語り伝えるために……

第二章 〈病い〉をさらす 本木健
宿題/「病気」への気づき/絵との出会い/「傷」のある自分/「芸術とは、治ってはいけない病気なのだ」/「生きる」ことと「在る」こと/〈生〉の重みと厚み
コラム 生きにくさのなかの文学

第三章 〈魂〉をふちどる 実月  
「わたし」の輪郭線/〈図〉としての「わたし」/「表現することは許されること」/〈場〉の世界を描く/絵が「輪郭」を帯びていく/「憎悪」と「愛着」がせめぎ合う/「苦しみ」と「苦しいこと」/実月さんの〈癒し〉/「変わり合う」ことで「支え合う」
コラム 「解釈」よりも「共感」を  

第四章 〈祈り〉をちぎる 江中裕子  
「犠牲」を信じられるか?/「医療」のなかのコラージュ/江中裕子の来た道/〈造形教室〉との出会い/江中裕子の作品世界/「私の心と体は透明に思える」/「自分が汚い」/世界の〈汚さ〉を引き受ける/『喜怒哀楽』/〈哀しみ〉や〈憎しみ〉は誰が引き受けるのか/「信じる」ことの力
コラム 心病む人たちの芸術活動
コラム 「きらめく破片」たち

第五章 〈疼き〉をほりおこす 杉本たまえ
痛みの表現者/塗りつぶされた『日記』/『食卓の風景』/記憶が痛む/記憶の地層/存在が痛む/「点」が降り積もる/「物語」だけでは解放されない/「表現」が「表現者」を超えていく
コラム 〈こと〉としての文学
コラム 「在る」ものを描くこと ―― アートへの「希待」

まとめの章
アートに何ができるか?/アートは「生きていく」ために必要だ/分析できない力の存在/想像力と感受性を「社会資源」に/「生きていく意味」を描く
あとがき ―― さりげなく、やわらかな言葉のために

文庫版あとがき

解説 ためらいをともなった明るさの兆し  堀江敏幸

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