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ヴァーチャル日本語 役割語の謎

9784006004668

ヴァーチャル日本語 役割語の謎

著者/金水敏
出版社/岩波書店
サイズ/270ページ 15*10.5cm
発行(年月)/2023年5月

販売価格 ¥ 1,386(本体 ¥1,260)

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「ステレオタイプ」と「標準語」

「そうじゃ、わしが博士じゃ」という博士や「ごめん遊ばせ、よろしくってよ」としゃべるお嬢様。現実には存在しなくても、いかにもそれらしく感じてしまう言葉づかい、これを役割語と名づけよう。誰がいつ作ったのか、なぜみんなが知っているのか。そもそも一体何のために、こんな日本語があるのだろう?(解説=田中ゆかり)


<目次より>
 役割語の世界への招待状

第一章 博士は〈博士語〉をしゃべるか
 1 お茶の水博士
 2 天馬博士
  〈博士語〉をしゃべらない博士
  〈博士語〉は〈老人語〉?
  「現実」とのずれ
 3 〈博士語〉をさかのぼる
  手塚治虫の初期作品
  日本SFの祖・海野十三
  『少年倶楽部』
  『立川文庫』と演芸速記本
  戯作の世界
  『四谷怪談』から
  江戸語の形成
  〈博士語〉〈老人語〉の起源

第二章 ステレオタイプと役割語
 1 ステレオタイプって何
  小説家の悩み
  ステレオタイプの研究
 2 「現実」対「仮想現実」
  役割語と位相・位相差
  現実と役割語との距離
 3 文化・メディアとステレオタイプ
  サブタイプ化
  二重処理モデル
  分離処理モデル
 4 ヒーローの旅

第三章 〈標準語〉と非〈標準語
 1 〈田舎ことば〉はどこの言葉か
  「夕鶴」から
  〈田舎ことば〉の起源
 2 〈標準語〉の構造と役割語
  役割語としての〈標準語〉
  話しことばと書きことば
  役割語度
  役割語度と自己同一化
 3 〈標準語〉の成立
  〈標準語〉以前
  言文一致運動と標準語
  マスメディアと〈標準語〉
  転落する〈上方語〉
 4 大阪人・関西人キャラクターの変遷
  パーやん
  大阪人・関西人のステレオタイプ
  大阪人・関西人のルーツ
  近代マスメディアの中の大阪人・関西人
  好色・暴力と大阪人・関西人
  ステレオタイプの変容

第四章 ルーツは〈武家ことば〉――男のことば
 1 〈標準語〉の変化
  雨ふり
  役割語度の変化
 2 〈男性語〉の歴史
  〈書生ことば〉
  「~たまえ」の歴史
  ボクとキミ
  ボクとオレ
 3 仮面(ペルソナ)としての役割語

第五章 お嬢様はどこにいる――女のことば
 1 お蝶夫人
 2 言葉の性差
  文法的特徴から
  男女専用表現と傾向的表現
 3 『浮世風呂』の女たち
 4 江戸語と近代〈女性語〉
 5 「てよだわ」の発生
  『浮雲』の母と娘
  非難されていた「てよだわ」
 6 「てよだわ」世にはばかる
  メディアとしての女学校
  小説に見る「てよだわ」
 7 「てよだわ」なおも広まる
  女学校の外へ
  全国への拡散
 8 「てよだわ」の衰微
  戦後の〈女性語〉の変化
  「~てよ」の文法
  少女と〈お嬢様ことば〉
  役割語としての〈男性語〉〈女性語〉

第六章 異人たちへのまなざし
 1 〈アルヨことば〉
 2 異人の分類
 3 言語の投影
  さまざまな投影
  黒人と〈田舎ことば〉
 4 〈アルヨことば〉の原型と展開
  ピジンの適用
  Yokohama Dialect
  アリマス系とアル系
  中国人へのまなざし
  「のらくろ」から
 5 役割語を超えて

 附録 役割語の定義と指標
 用例出典一覧
 参考文献
 あとがき
 現代文庫版あとがき

 解説……………田中ゆかり

 語彙索引
 人名・題名索引
 事項索引

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