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書籍

ライフ・オブ・ラインズ

9784845916269

ライフ・オブ・ラインズ

著者/ティム・インゴルド
訳者/筧菜奈子、島村幸忠、宇佐美達朗
出版社/フィルムアート社
サイズ/344ページ 19.5*13cm
発行(年月)/2018年9月

販売価格 ¥ 3,080(本体 ¥2,800)

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人類学者がラインについて研究することができるという考え

人類学者 ティム・インゴルドのライフワーク「ライン学(=linealogy)」の到達点。結ぶこと、天候、歩くこと、成長すること、人間になること…… 見たことのない自由な発想で、この世界にさまざまなラインを見いだす。哲学、生態学、気象学、人類学の境界を踏み超えて自在に歩き回る、人類学者インゴルドの驚くべき「線」の探求の旅。

線を作りだすことは、人間になること──

「たとえ意識されることがなかったとしても、道を歩いたことがある者、布を縫ったことがある者、動物を追いかけたことがある者、詩を朗読したことがある者、図を描いたり手紙を書いたりしたことがある者、──つまるところ、実際に生きている者であれば誰もがそれ〔「ライン学」〕に携わってきた。」(本書より)

たとえ意識していなくても、道を歩いたり、布を縫ったり、動物を追いかけたり、詩を朗読したり、図を描いたり、手紙を書いたりしたことがあれば、つまり、実際に生きているわたしたち人間誰もが、「ライン学」の研究者といえる。

つまり、わたしたち人間は誰もが、「ライン学」の研究者といえるのだ。そのように説くインゴルドは、本書において、歩くこと、織ること、観察すること、歌うこと、物語ること、描くこと、書くことといった、人間が紡ぎ出す文化の中にあるラインを見出しながら、「結び目をつくること」「天候にさらされること」「人間になること」という3つの枠組みを手がかりに、「ライン学(=linealogy)」をさらに広い視点から考察していく。

本書では、インゴルド自身が提唱する社会的生命論から、ベルクソン、ジェイムズ・ギブソンやメルロ?ポンティ、ドゥルーズ?ガタリ、そしてオルテガ・イ・ガセットの人間論やハンナ・アレントのリーダーシップ論、教育哲学者ヤン・マッシェラインを引き合いに出しながら、バクテリアの細胞と鞭毛、画家マティスの《ダンス》、タコとイソギンチャク、小説家イタロ・カルヴィーノの書く「結び目」、グレアム・ハーマンのオブジェクト指向存在論(OOO)、ロープの結び目と木の継ぎ目、さらには壁、山と摩天楼の差異、地面、知識へと関心を遷移させ、次いで風、つむじ風、渦巻き、風と歩行、足跡、天候を知覚することと世界、大気と雰囲気、空気、空、太陽の光、色、音とメロディにまで考察を広げ、さらには人間化することについて、人間形成、成長することと作ること、行なうことと経験すること、服従することと熟練すること、あいだにあるもの、中動態、調和といった思考に深化させていく。

哲学、社会学、生態心理学、芸術学、考古学、建築学など多様な領域をクロスオーバーする人類学研究を精力的に展開するインゴルドによる、「ライン(線)の生態人類学」の決定的一冊。


<目次より>
序文

第1部 結び目をつくること
1 ラインとブロブ(小さな塊)
2 タコとイソギンチャク
3 対象のない世界
4 物質、身振り、感覚、感情
5 結び目と接ぎ目について
6 壁
7 山と摩天楼
8 地面
9 表面
10 知識

第2部 天候にさらされること
11 つむじ風
12 道に沿った足跡
13 風‐歩行
14 天候‐世界
15 大気=雰囲気(アトモスフィア)
16 滑らかな空間の中で膨らむこと
17 巻きつくこと
18 空の下で
19 太陽の光の筋とともに見ること
20 ラインと色
21 ラインと音

第3部 人間になること
22 人間であるとは一つの動詞である
23 人間発生論
24 行なうこと、経験すること
25 迷路と迷宮
26 教育と注意
27 服従が先導し、熟練が追従する
28 一つの生
29 あいだのもの
30 ラインの調和

訳者あとがき
参考文献
索引


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<関連書籍>
『応答、しつづけよ。』

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