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心的外傷と回復【増補新版】

9784622096504

心的外傷と回復【増補新版】

著者/ジュディス・L・ハーマン
訳者/中井久夫、阿部大樹
出版社/みすず書房
サイズ/520ページ 19*13cm
発行(年月)/2023年10月

販売価格 ¥ 5,940(本体 ¥5,400)

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語りえないものを語ることの力

〈心的外傷体験の核心は孤立と無縁である。回復体験の核心は有力化と再結合である〉

あらゆる心的外傷(トラウマ)の諸相とその治療の方向性、回復への道を具体的・情熱的にしめした『心的外傷と回復』は、1992年の初版刊行以来、世界中の読者から感動をもって迎えられ、現在ではトラウマ問題の「バイブル」の地位をゆるぎないものにしている。

本書は、原書2022年版にもとづき、長大な「あとがき――心的外傷の弁証法は続いている(2015)」と「エピローグ(2022)」を付した増補新版である。アフガニスタン侵攻以後に表面化したアメリカ軍人、特に女性兵士の心的外傷、児童虐待の後遺症としての複雑性PTSD、カトリック教会による組織的な性虐待などの問題を取り上げ考察しながら、この30年間の心的外傷研究の発展を関与観察的態度で詳細に追い、その展望に及んでいる。

そしてハーマンは、最後に結んでいる。
〈結局のところ、心的外傷を癒すためには身体と脳と心を一つに統合することが必要なのだという、基本に立ち戻ることになる。まず安全な場をもつこと、そして思い出すこと、服喪追悼すること、そしてコミュニティにもう一度つながることである。…回復の土台石となるのは、心理療法と社会的支援である。この原理は、どんな治療技法によっても、どんな薬物によっても変わることはない〉


<目次より>


第一部 心的外傷障害

第一章 歴史は心的外傷をくり返し忘れてきた
ヒステリー研究の英雄時代
戦争(外傷)神経症
性戦争の戦闘神経症

第二章 恐怖
過覚醒
侵入
狭窄
外傷の弁証法

第三章 離断
損われた自己
易傷性と復元性
社会的支援の効果
社会の役割

第四章 監禁状態
心理学的支配
全面降伏
慢性外傷症候群

第五章 児童虐待
虐待的環境とは
ダブルシンク
二重の自己(ダブル・セルフ)
身体への攻撃
子どもが成人すると

第六章 新しい診断名を提案する
誤ったレッテル貼りとなる診断
新概念が必要となった
精神科患者としての被害経験者

第二部 回復の諸段階

第七章 治癒的関係とは
外傷性転移
外傷性逆転移
治療契約
治療者へのサポート・システム

第八章 安全
問題に名を与える
自己統御の回復
安全な環境を創る
第一段階を完了するには

第九章 想起と服喪追悼
ストーリーを再構成する
外傷性記憶を変貌させる
外傷性喪失を服喪追悼する

第十章 再結合
たたかうことを学ぶ
自分自身と和解する
他者と再結合する
生存者使命を発見する
外傷を解消させる

第十一章 共世界
安全のためのグループ
想起と服喪追悼のためのグループ
再結合のためのグループ

あとがき――心的外傷の弁証法は続いている(2015)
エピローグ(2022)

謝辞
解説  小西聖子
訳語ノート
訳者あとがき
増補版についてのノート
第9刷へのあとがき
増補新版への訳者あとがき
原注
人名索引
事項索引

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<関連書籍>
『別冊NHK100分de名著 フェミニズム』

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