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書籍

大阪の生活史

9784480816900

大阪の生活史

著者/岸政彦(監修)
出版社/筑摩書房
サイズ/1271ページ 22*16cm
発行(年月)/2023年12月

販売価格 ¥ 4,950(本体 ¥4,500)

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お母さんと妹と三人でよう映画見に行ったなあ。

150人が語り、150人が聞いた大阪の人生。大阪に生きる人びとの膨大な語りを1冊に収録した、かつてないスケールで編まれたインタビュー集。


「こういう話はどこにでもあるものだろう。でもやっぱり、大阪だな、と思う。この街に三五年以上住んで、やっぱりここがいちばん良い街だと思っている。もちろん、どの街も、それぞれが世界でいちばん良い街だ。それはちょうど、飼ってる猫が世界でいちばんかわいい、ということに似ている。ほかの子を飼っていたら、もちろんその子が世界でいちばんかわいい猫ということになる。世界中の猫が、それぞれ、世界でいちばんかわいいのだ。だから、大阪が世界でいちばん良い街だ、ということと、それぞれどの街も世界でいちばん良い街だ、ということは、矛盾しない。

だが同時に、大阪がどうしても合わず、嫌になって出ていくひとも多い。そういうひとにとって大阪は、世界でいちばん合わない、嫌な街ということになるだろう。それもまた別に矛盾しない。大阪は、世界でいちばん良い街で、世界でいちばん嫌な街で、要するにそれは、世界でいちばんふつうの街で、世界でいちばんどこにでもある街だ。すべての街が、世界でいちばんどこにでもある街である。そこで生まれ、暮らして、死んでゆく、世界でいちばんありふれた私たち。

(……) この本に、私が付け加えることは、何もない。とにかくもう、読んでください、としか言いようがない。一五〇人の生活史はどれも、ほんとうに、しみじみと、ただおもしろい。ここにはあらゆる喜びがあり、あらゆる悲しみがあり、あらゆる希望とあらゆる絶望がある。ここには大阪という街がある。」
(岸政彦「あとがき――世界でいちばん、普通の街」より抜粋)


<目次より>
どこでやってんのって聞かれて昭和町っていうたら友達にめっちゃ笑われたみたいなんですよ。「難波とか南とか北ちゃうん! どこやねんそれ!」みたいな
聞き手
明石珠美
たまたま暦を見たんですよ、神宮館とかありますでしょ。そしたら適業が書籍業って書いてあったんです。「あ、これだったらいいんだわ」と
聞き手
足立琴音
うちのおかんは俺にだけよう言うてたんや、人に間に合う人間になれいうて
語り手
杉浦正生
聞き手
安達宏和
今までは必死で何でも自分一人でやってきたけれど、少し甘えられるようになったのが六〇過ぎてからです
聞き手
阿部朱音
こんなん好きやろとか言って、ほんでいきなり山を降りて、踊らされて。それが始まり(笑)
聞き手
池田アユリ
もう正直邪魔くさいわほんま……耳いらんねんやったら残せよって思うもん
聞き手
石浦光代
チャイムが鳴っているの、聞くのもすごく懐かしいし。で、職員の声とか、放送の声とか、あと、入り口の上に飾ってある絵、私のきょうだいが描いた絵なんです
聞き手
石田賀奈子
私は私のお父さんみたいな人と結婚したかったん
聞き手
板坂淑子
全部、噓のかたまりや
聞き手
李ナオ
「もう聞かへんから、最後に聞かせて。あんたはお父さんか、お母さんか」って。私は「お父さんやで」と。「よし、わかった! ほなお父さんやな」と
聞き手
井上司
お父さん、タオルをすっごい、絞ってくんねん(笑)。あの、カラッカラになってんちゃん!っていうくらい
聞き手
井之上日向子
じゃあ別に、本当に手術します、切ります、になったときに別に捨ててなくてもまあいい。それはそれでね、話のネタとして面白いやん。永遠の童貞ですって
聞き手
井上瑞貴
楽しかったーとか言って帰っていく人多いからな。漫談ちゃうねん、言うねんけどな
聞き手
今堀紗理奈
なんで俺だけ小遣いくれるのかなあって。それが本当の母親やったんやろうけどなあ。産んだ子はどうしても恋しいから見に来るんやろうなあ
語り手
富永武
聞き手
上田假奈代・岸政彦
お父ちゃんが写真撮ったら、写真にお父ちゃんが写ってない。アルバムにな。お母ちゃんと子どもは写ってるけどもお父ちゃんは写ってない
聞き手
潮佳澄
でも営業許可申請することによって、毎年確定申告せなあかんくなるやんか。どっちや、と
聞き手
大川将
援助交際とかパパ活を通して、一番しんどいのってやっぱりこういう感覚が壊れること。感覚の崩壊って本当に元に戻すのが大変
聞き手
大久保遥
朝三時に家出るやん、そしたら回す時間もないし、取り込む時間もないから、今のこのちょっと発酵させてる時間に、洗濯物干したいみたいな
聞き手
太田紗華
もうパチンコでも何でもいいから借金つくったろう思って、わざと
聞き手
大坪加奈子
でっかいやつばんばんばんて置いて「今日は白菜描こう」みたいなんで私が描いたら「あんた小さすぎるわ!」
聞き手
大野卓
孫になんかクリスマスにおもちゃなんかやったらいいけどな、そんなん一時的なもんやん。本やったらな、またなにや思て
聞き手
岡由利子
民主主義でいきましょう
語り手
戸川寛子
聞き手
小川直洋
ビールもやけどキムチもやけどレコードをかけたりとか、みんなでわーわーわーわー、もうほんまに畳もなんもないとこもあんねんで
聞き手
折田千峰
報道のヘリコプターがバリバリバリバリって飛んでる。何十機もね。そんときにがれきの下のうめき声って聞こえへんやん、踏まれてても。なんで飛ばすんや
聞き手
柿本明日香
全部日本語やけど、覚えたね。大きい機械、四つぐらいある。全部、僕はボタンで覚えたんや。名前はわからんけど。それでないと班長はできないからな
聞き手
カツラ・シャハラ・バーヌ
「よかったらたこ焼きとかできますけど」言うたら「おー。ほんだらあんたら兵庫県人会の県人会代表で、ちょっとそれやってくれや」って言われて
語り手
松本浩治
聞き手
加藤勲
だから大正区もそんなにガラがよくないのに、わからないんだよ、田舎もんだから(笑)。ホントにわからないのが強みよ
聞き手
加藤舞
「俺の今後の人生でもって、あなたのすべてを肯定します」って書いた気がするわ、たしか。全部、間違いじゃなかったんだよっていう意味で
聞き手
金井塚悠生
だから「今里の水先案内人」っていう肩書きを自分につけて
語り手
山本光一
聞き手
金井麻由子
かかり過ぎだよ一一年、初めての三回戦、ようやく去年。まぁほんで祇園花月を選んで、すごいねぇあっこは、めちゃくちゃいい劇場
聞き手
兼信将太
難儀しながら試行錯誤してた時間、返せよって。徹夜のうどん代も返せよって感じやったわ
聞き手
河内美砂緒
悪気もないんやろうけど、私のしゃべり方を、きつくじゃないで。真似たんやんか。「なんとかやしよ!」とか言うて
聞き手
川上聖加
でね、これもまったくの偶然やけども、今の本屋の場所はもともと、やっぱり本屋さんやってんて
聞き手
川北栄里
スタイリストになろうと思ったら東京に行かへんかったら仕事がないのよね。雑誌社とかそういうようなところやから。東京まで行く勇気はなかったのよ
聞き手
川邊良太
わたしも飲み屋さんなんかやったことないし、飲み屋なんかやるつもりも全然なかったんで。で、まあ主人は断ってくれると思ってたんですが、よう断らんかったんよ
語り手
烏野真由美
聞き手
上林翼
僕って結局そういうことしかでけへんからな。要は、それをしないことには自分の武器があんまりないから、い うのがどっかにあると思うわ
聞き手
菊谷幸木
日本に来て、お母さんね、大変だろうから、あなたが養ってあげたらって。だからまあ、腹立って、儒教なんかクソくらえって(笑)。何が家族だって
聞き手
岸政彦
わたしもワヤンに命を与えていた。それに息を吹き込むんだ。だから、わたしの呼吸と心の半分を、ワヤンに分け与える感じかな、半分を、さっきのワヤンたちに
語り手
ナナン・アナント・ウィチャクソノ
聞き手
岸美咲
…ほか

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