書籍

私は水俣によってアニミズムの開眼をした

「水俣」との出会いという原点から、内発的発展論の現代的射程を問い直す
国際的社会学者・鶴見和子(1918-2006)が生み出した「内発的発展論」を、今、我々はいかに継承していくべきか。その原点にある「水俣」との決定的な出会いの意味を問い直し、脱西欧中心的な社会発展のモデルというだけにどまらない、「共生」の思想としてのその射程を描く。

[寄稿]加藤千香子/鶴見太郎/平岡聡/高石浩一/小林康正/吉村夕里/佐藤量/アイリーン・美緒子・スミス/黒宮一太/小坂勝弥/永野三智/実川悠太/水野良美/立石尚史/大浦伸子


<目次より>
不知火海総合学術調査団の「水俣」 加藤千香子
鶴見和子と石牟礼道子のアニミズム 杉本星子
「理論」と「体験」が出会う場所 鶴見太郎
仏教思想から見た内発的発展論 平岡聡
鶴見和子とエリクソン 高石浩一
「不知火海総合学術調査団」における「ことば」の位相 小林康正
地域という抵抗主体 西川祐子
水俣における社会運動と障害をめぐる言説 吉村夕里
戦前のチッソと植民地 佐藤量
水俣で教えられたこと アイリーン・美緒子・スミス(述)
ストレンジャーとしての責任 黒宮一太(述)
京都・水俣病を告発する会の活動 小坂勝弥(述)
水俣病歴史考証館と支援者の立場 永野三智(述)
石牟礼道子の位置、鶴見和子の問い 実川悠太(述)
石牟礼道子さんからのおくりもの 水野良美(述)
〈補〉京都文教大学図書館・鶴見和子文庫について 立石尚史