絵本

幸福は ちいさなひだまりの中に ある

　だれでも
　ひとつの庭をもっている。
　記憶のおくの片隅に。
　楽園のひとかけらのような
　ちいさな庭をもっている。

一冊の本が、庭の記憶を呼び醒ます。それは、だれもがこころの中にもっている小さな庭。そこには、一輪の記憶の花がゆれている。なつかしい樹がたっている。

　人は、疲れた心をいやすために
　庭仕事に専念する。
　心はなごむが、腰が痛む。

繊細さと気品にあふれた絵、洒脱でどこかおかしく、どこかせつないことば。絵本作家きたむらさとしさんが、文のみを担当した、美しく不思議な絵本は、庭を愛してやまない大人の方に。

　みな、それ相応に、人生をも耕してきた人々でした。