絵本

たったひとりの「NO」が、世の中を変える。

服の仕立てや修理をする腕のいい職人のローザ。同僚から 「魔法を使ってるんじゃないの?」 と言われると、「一生懸命やっているだけよ」 と答えるがんばりやです。

その日は珍しく仕事が早く終わり、いつものようにバスに乗りました。当時、黒人はバスに乗ってお金を入れると、いったん降りて、後ろのドアからまた乗ることになっていました。バスの座席は、前に白人、後ろが黒人、中間の席にはどちらが座ってもいいと決まっていたからです。

中間の席に座ったローザ。しばらくして、運転手のどなり声が聴こえてきました。「席を白人にゆずりなさい!」　周りの黒人たちは席を立ちましたが、ローザはそのまま座り続けました。白人の席からは、「あの女を逮捕しろ」 「バスから引きずりおろせ」 そんな声も。ローザは、疲れていたのです。仕事にではなく、黒人たちが不平等な扱いを受けることに。何もかも 「黒人用」 と差別される社会に。

ローザ逮捕のニュースは、瞬く間に女性たち、そして黒人たちの間に広まっていきました。そして・・・!?

1955年12月1日。バスの車内で白人男性に席を譲ることを拒んだローザ・パークスの静かな決断は、キング牧師を中心に全米に広がった公民権運動のきっかけとなりました。アメリカの歴史を変えた一人の女性を描く、ノンフィクション絵本。