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9784582837643
花びら供養
著者/石牟礼道子 出版社/平凡社 サイズ/296ページ 19.5*13.5cm 発行(年月)/2017年8月
販売価格 ¥ 2,750(本体 ¥2,500)
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人は何のために生きるのか
『石牟礼道子全集』未収録の、主に2000年以後に書かれた珠玉のエッセイ40篇を中心に1冊に。水俣の記憶を磁場に立ち上がる独自のコスモロジーは、一片の花びらに捧ぐ祈りのよう。この世をやわらかに包み込み、時に鋭く、その不条理を照らし出す。著者・石牟礼道子さんが、現代に伝え残したかったメッセージとは。(編集 渡辺京二) 月の満ち欠けや、潮の干満を 暦の日めくりにして暮らしを立てているのは、 船に乗る人々ですけれども、 満月になるとわたしのようなものでも、 夜空を見上げている自分に気づきます。 満々たる月と向きあうときの、 あの神秘な永遠というものを、 昔の人たち、そう、ご先祖たちから 贈られていると思える夜です。 あの方々が信じておられる小さな神々の世界というのは、 存在全体に対する知性といったらいいでしょうか、 信仰といったらいいでしょうか。 人間の作り出した知識の世界、 近代文明の世界は、人間が作ったわけですが、 否定なさるわけじゃないんですけれども・・・ 所詮書物で覚えた知識など、 脚下にも及ばないぐらい大きな存在、 存在として私たちの前に投げかけておられるんですね、 その問いを。
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