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書籍

種まく人

9784750515601

種まく人

著者/若松英輔
出版社/亜紀書房
発行(年月)/2018年9月

販売価格 ¥ 1,650(本体 ¥1,500)

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悲しみ、嘆きのなかで人は生きている

通勤途上の橋の上に住む初老の男性が、ある日亡くなった。そこにはだれともなく、大きな花が飾られ、続いてさまざまな捧げものが次々捧げられていった…。日常の中で出逢う「言葉なき人々」に思いを寄せる、25のエッセイと詩。


 出会いが、確実にもたらすのは別れである。
 むしろ、出会いだけが、別れをもたらし得る。
 出会いとは、別れの始まりの異名にほかならない。
 離別という悲痛の経験は、
 誰かと、真に出会うことがなければ生まれない。
 誰かを愛し、互いの人生に
 大きな変貌をもたらしたことのない者に別れはない。


 人間だけでなく、花に鳴く鶯、田で鳴く蛙、
 生きるものすべてが「歌」を詠む。
 そればかりか歌は、腕力を用いずして、
 天地を動かし、不可視な神々の心をもふるわせ、
 男と女の仲を睦ませ、戦いにはやる武士の心をも鎮める、という。


<目次より>
すごい人
言葉の燈火
伴走者
独語の効用
「私」への手紙
抱擁する詩人
燃える言葉
賢者の生涯
音楽の慰め
それぞれのかなしみ
ゆるしのちから
カズオ・イシグロと文学の使命
人類の歴史
臨在する者
プラトンの教育観
勾玉と二人の文士
幽閉された意味
本と書物
種まく人
武士(もののふ)の心
歌の源泉
沈黙の秘儀
すこしのかなしさ
赤い鼓動

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