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9784480435316
遺言 対談と往復書簡
著者/石牟礼道子、志村ふくみ 出版社/筑摩書房 サイズ/304ページ 15*10.5cm 発行(年月)/2018年9月
販売価格 ¥ 1,045(本体 ¥950)
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生類の都は いずくなりや
石牟礼:今しないと、だめですね。 志村:やっぱりそうですね。 石牟礼:もう間に合わない。 東日本大震災後、自らの仕事の根本が揺らぐように感じた染色家・志村ふくみが、長年交流のあった作家・石牟礼道子へ手紙を送ってはじまった往復書簡。ちょうどその時、石牟礼は生涯最後の作品として新作能「沖宮」を構想しているところだった。 石牟礼:あの色を見て、これだと思った。・・・(中略) その場面でどんな衣装を着せようかと。 沖に向かってゆくあやを 村の人たちが涙を浮かべながら 「よかところに行こうぞ」と拝む場面に ふさわしい色の衣を着せたい。 「沖宮」の、終わりの場面は、死ぬんじゃないですよ。 「沖宮」というのは命の生まれるところ。 「沖宮」のメイキングストーリーとしても読める本書は、石牟礼道子と志村ふくみ、ふたりが新しいよみがえりを祈り紡いだ、次世代への鋭いメッセージ。往復書簡と二度の対談、遺作となった「沖宮」を収録。 志村:言葉の内実となる豊穣な世界を失ってしまっているから、 言葉そのものが生きなくなって、 宙に浮いてしまっている。 目に見えるものしか見ていない、 感じない世の中になっている。 志村: それで私は、手が一番大事だ、手だ、ということを言ったんです。 手こそが物を考えて、物を言う。 手が先に動くんです。手が魂を伝えるんです。 石牟礼: そうです、そうです。手で考えているんです。 ほんと、手を使わなくなりました。 - - - - - - - - - - - - - - - - <関連書籍> 『苦海浄土』 『一色一生』 『色を奏でる』 『志村ふくみ 染めと織り』
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